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    【RED-G】それなりBログ工房

    手づくりの丸太小屋に住み、エコでエコな山暮らしやログスクール、セルフビルド支援、災害ボランティアなどのノウハウや情報を発信しています。

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    2021-03-13 (Sat) 15:06

    【ログハウス】カバーとセトリング率ってなに?=これがわかれば作り方がわかる

    ★自然の丸太を積み上げるハンドカット・ログハウスをセルフビルドするためのワンポイント・ノウハウです。
     ログハウスをセルフビルドするためには、非常に重要な数値です。

    作るうえでは様々な数値(スクライブ幅やセトリングスペース幅、丸太の段数など)が必要になってきます。

    これらの数値を決めている大元は、最小壁厚とセトリング率なのです。とボクは理解してます。

    どんな太さの丸太にも適用できますので、これを理解しておくと本などを読んでも理解できるようになります。

    逆に言うと、この意味がわからないと、本を読んでも応用ができないということです。

    いかにも小難しそうですが、じつはいたって簡単な理屈なのですよ。



    【カバー分(重なり幅)と最小壁厚との関係】 

    作り方の本などには「カバー」とういう言葉がでてきますが、これは上下の丸太が重なる分量のことです。だいたい6~8mmです。

    では、どうしてこの数値がでてくるかと言うと、実は最小壁厚との関係なのですよ。

    丸太組工法(丸太横積み工法)では、横に並べた丸太の上に丸太を重ねていきます。

    カバーと最小壁厚の説明図jpeg

     

    このとき重ねた丸太の間に隙間ができないようにしなければなりません。   

    そのためには6~8mm分切り欠いて重ねるわけです。この重なり分をカバーと言っています。

    この切り取られるところがグルーブと呼ばれるものです。

     

    この数値は次のように求めることができます。

    適当な用紙に、使いたい丸太の平均径の実寸の真円(円弧でいい)を描きます。

    円周の一点(上部がいい)から中心に向けて直線を引きます。

    円周から6mm、8mm、の位置に直角の横線を引きます。4mmや10mmの線も引いてみると相関関係がわかっていいかも。

    この横線と円周の交わった長さが最小壁厚となります。そしてタテの6mmとか8mmの数値がカバーになるわけです。

     DSCN2452.jpg



    ※実際の丸太の断面でも、おおよその数値は知ることができます。
     

    DSCN2441.jpg



    では最小壁厚はどうやって決めるのか?

    これは先人達の経験則によって決まっているようです。(結論がそれかよ!)

    最小壁厚は厚ければ厚いほど性能はよさげですが、同時にカバーも増え、段数も増えていきます。

    しかし、重なったときのグルーブのエッジが横腹に下がってきます。すると下の丸太が上の丸太へクサビ的な力を加えてしまいます。その結果、上の丸太は割れやすくなってしまいます。

    そのため、最初に書いたようにカバーは6~8mmくらいにしているのです。


    上図での数値は、
    カバーが6~8mmのときの最小壁厚は次のようになってます。
      ●12cm径なら、約53~60 mm

      ●20cm径なら、70~80mm

      ●25cm径なら、約77~90mm

      ●30cm径なら、約87~101mm

    これからもわかるように、丸太が太いほど最小壁厚も厚くなるわけですね。

    ちなみに一般の住宅の壁厚は、140mmくらいですかね。


    ※ちなみにボクの場合は平均径20cmで6mmにしています。
    こうしたとき、最小壁厚は70mm均一になるかというと、そんなことはありません。
    グルーブをスクライブするときに、上下の丸太間をまったく同じ幅にすることは不可能だからです。
    それに丸太には凸凹もあります。場所によって狭くなったり、広くなったりしています。
    なので、実際の最小壁厚はプラスマイナス20mmくらいになりますね。
    マシンカットの丸ログだったら均一になるのでしょうがねぇ~。



    【セトリング率とは】

    ログ壁が沈み込む(下がってくる)という自然現象のことです。

    これには2つの要因があると言われてます。

     

    一つは、丸太が少しずつ乾燥(水分が減少)するため、細くなっていきます。

    ※もう10年以上前になるんですが実験したことがあるんです。

     この時は長さ30cm、太さ25cm、重さ10kgの切りたての杉材でした。

     これが3か月で太さが2mmくらい細くなりました。0.8%減ですね。重さは約半分にもなりましたよ。長さは、ほぼ同じでした。

     6か月後もほぼ同じ状態でした。
    ただ、長さが短いので一概には適用できないかもしれませんが。

     

    もう一つは、上からの重さで圧迫(押しつぶされる、食い込む)されるからです。

    したがって、下段の丸太ほど圧迫されるわけです。

    この割合は、最大6%と言われています。

    (これも先人達からの申し送りで、根拠はわかりせん)(またそれかよ!)

     

    ただ、どの時期から測るかによっても変わってくるので曖昧になってしまいます。

    丸太を加工し始めて、最初の一段から最上段まで3か月かかったとすれば、すでに沈み込んでいます。

    これを移設して、屋根や内外装工事をして完成するわけです。当然重さも増してきます。この間が早くて3か月でしょう。
    すでに6か月以上経ってます。だいぶ落ちてきているはずです。


    そして住み始めてから
    6か月くらいの間は実際に体感するわけです。
    冬は乾燥もすすみ、割れたり、食い込んだりする音(パチッ!ミシッ!など)がアッチコッチで聞こえたりするものです。

    壁に通したボルトの下部ナットが下がってきて、セトリング幅が見えたりします。

    この沈み込みも、だいたい1年くらいで治まってくるようです。この間に目で見えるナットの下がりは数センチくらいが多いようです。

    ただボクの浅い経験ですが、最初の段階からでも実質3~4%くらいかなと感じています。

    もちろん丸太の条件によってかわってきますがね。

    ですから、計算上は6%でやれば間違いがない、と思っています。



     

    お願い

    ●この記事の内容は、あくまでボク個人の方法や考え方です。

    同じ物事でもいろいろな方法や考え方があります。

    したがって、この記事に関しての議論・反論には応対しませんのでご承知ください。
    ただし、こういう記事を書いて欲しいというような要望やリクエストにはできる限りお応えしますので、コメント欄にお書きください。

    ●建築基準法の内容については情報が古いかもしれませんので、最新のもので確認してください。





    ウワァー!こりゃぁスゴイ手間がかかるわ。

    書いている途中で細切れにしようかとも考えたんですが、せっかく読んでくれる方にとっては迷惑千番ですからねぇ。

    スクール生相手に直に講義するのとは、まったく違うわね。それほどいい加減にやってたのかしら?笑

    動画でしゃべった方が早いかとおもったりしたけど、いずれにしても原稿は必要だし。

    活舌もよくないし、流暢にはしゃべれないし・・・。

    さてさて、これはいつまで続けられるかしらねぇ。カテゴリーを増やしたのはいいけれど心配になってきましたぁ。

    でもまあ、この記事だけ書いてしまえば、あとは本を読めばわかることだし、適当に続ければいいかしら!?

     

    次回は、「ログハウスを作るのに丸太は何本くらい必要なのか?」について書いてみようかとおもっています。が・・・



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    最終更新日 : 2021-04-13

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