★自然の丸太を積み上げるハンドカット・ログハウスをセルフビルドするためのワンポイント・ノウハウです。
前回からの続きです。いよいよ本題です。
【さてさて何本くらい必要なのか?】
まず室内高を決めます。お住まいの部屋で測ってみてください。
1階の床上から天井の床下までの高さです。一般住宅では2.4mくらいですね。
ただ、ログハウスでは2階の床は、梁の上に乗せることが多いので、梁の下面までとする人もいます。

次に1階の床を乗せる構造と、2回の床を乗せる構造を考えます。
1階は別の土台の上に床を作る構造なら丸太は不要です。
2階の床を梁に乗せるときは、その上に少なくても1段は乗せます。
※2階の有効面積を広くするために、桁を外側に出したり、2~3段乗せたりする方法もあります。
【丸太の段数を計算してみると】平均径200mmを例にします。
●丸太の有効径はカバー分を引く(前回説明しました)
有効径=平均径200-カバー分6=194mmです。
●さらに6%セトリングする(これも前回説明しました)
有効径=194×0.94≒182.4mmになります。
1段当たりの丸太有効径は、約18mmも縮まってしまうわけです。率にすると約9%です。
※簡易的に10%にすると計算も楽です。大差ないでしょう。
実際に計算してみると
●丸太の本数=室内高2400÷182.4mm+上下段の丸太数
2400÷182.4=13.16本
本数にすると14本ですが、このくらいの端数なら13本でもいいでしょうね。
+仮に上下段数2段とする=15段になります。
壁は4面ありますから60本になります。
さらに梁や小屋組みの本数を足します。
たとえば梁5本+棟木1本+母屋2本+束4本とすると計12本必要です。
すべて合計すると72本になります。
さらに失敗や、使えない丸太があったりしたときのために、予備として数本は必要かも?
「わたし失敗しませんから!」という方は必要ないですがね。笑
※建築界では一般にミリ単位を使います。大工さんは尺を使いますがね。
※チンキング工法をとれば、グルーブの必要もなく、丸太間を3cmも空ければ、平均径が23cmになりますから、段数も積み上げる手間も減らすこともできますね。
※半割を積み上げる方法をとれば、丸太を半分にすることもできます。つまり外側は丸ですが、内側は平らになります。
たしか、数年前に「発見セルフビルド」に掲載していたような・・・。全部半割にするのがちょと面倒ですがね。
【まとめると】
ボクがお勧めするセルフビルド用の材料は次のようになります。
●長さは、4~6m。
●太さは呼び径で、16~18cm
●樹種は、国産スギ材、間伐材も可
●本数は、上記の条件なら72本くらい
(ただし、桁と小屋組み用には1~2m長い材が必要です。雨避けのために軒(ケラバ)を張り出すためです。)
※これって、ボクの丸太小屋みたいですね。1本失敗したので14段になってます。笑
丸太だけで25万円くらい、その他床材や2×4材合わせて材料費合計は40万円くらいでした。
【丸太を買う場合の価格は?】
丸太は、木材市場や森林組合などで買うことができます。
ここで売っているのは、規格品として4mくらいまでの長さが主です。それ以上は別途注文になるようです。
木材市場には、一般的に人は入れませんので、業者に頼んだりします。(例外もあり)
価格の計算式です。1本の単価です。
丸太の価格=呼び径×呼び径×長さ×立米単価
<注>これは4mまでの計算式です。それ以上は少し違いますが6mくらいまでなら、目安にはなります。
立米(りゅうべい=立法メートル)単価は、ネットなどで調べることができますが、実際には地方や事業所、品質(節の有り無し、曲がり)などなどで違いがあります。
杉材、呼び径18cm、長さ4mの、立米単価14000円(ネットで調べた平均)として計算してみます。
1本の価格=0.18m×0.18m×4m×14000円 =1814円
※ちなみに、最近ボクが買った値段は、運賃込みで立米単価にすると17000円でした。
直材でなるべく節のないものと注文したんですが、けっこう節がありましたよ。
★自分で伐倒するとき
欲しい太さの部分は20mの木を伐っても1本しか取れません。
業者は元径40cm~の太い木を伐り、下部の無節材は製材用に使い、節の多い細い方を2級品としたりします。
細い間伐材なら節が少ないですが、年輪は少なくなります。製材としては価値が低くなります。
★曲り
ログハウスに使うには、直材(曲りの少ないもの)が必要です。が、真の直材はありません。
多少は曲がっているもんです。曲りが大きかったら短材として開口部などで使いましょう。
★節
あまり影響しません。加工に影響のない壁の内・外(上下は削る)、梁の下側などで、あえてアクセントにしたりして利用します。
これは梁の下側です。オモシロイでしょう!?

以上。ここまでです。
★お願い★
●この記事の内容は、あくまでボク個人の方法や考え方です。
同じ物事でもいろいろな方法や考え方があります。したがって、この記事に関しての議論・反論には応対しませんのでご承知ください。
●ただし、こういう記事を書いて欲しいというような要望やリクエストにはできる限りお応えしますので、コメント欄にお書きください。
●建築基準法の内容については情報が古いかもしれませんので、最新のもので確認してください。
昨日の続きで午前中に波トタンを剥がしに行ってきました。風が出てきて飛ばされたりして難儀しましたよ。
風が強くなってきたので、午後からの伐採も中止しました。
というのもありますが、前回のつづきが気になっていました。間を空けすぎてはマズイな、と。
さてと、次はと、高さの管理方法ですかねぇ・・・。ちと面倒そうだけど。期待せずにお待ちくださいませ。
丸太の中間の太さを測るには丸太用ノギスが便利です。
持ってはいませんが使ったことがあります。便利でしたねえ。
簡易的には差し金2本で測れますよ。これリーズナブルです。
長手がズレないようにしっかり握ること、指金によっては幅15mmを引くことを忘れないように!
※差し金は内外、表裏同じメートル目盛りが使いやすです。ホントにいろいろな目盛りの種類があるので、見て買った方がいいとボクは思います。



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【さてさて何本くらい必要なのか?】
まず室内高を決めます。お住まいの部屋で測ってみてください。
1階の床上から天井の床下までの高さです。一般住宅では2.4mくらいですね。
ただ、ログハウスでは2階の床は、梁の上に乗せることが多いので、梁の下面までとする人もいます。

次に1階の床を乗せる構造と、2回の床を乗せる構造を考えます。
1階は別の土台の上に床を作る構造なら丸太は不要です。
2階の床を梁に乗せるときは、その上に少なくても1段は乗せます。
※2階の有効面積を広くするために、桁を外側に出したり、2~3段乗せたりする方法もあります。
【丸太の段数を計算してみると】平均径200mmを例にします。
●丸太の有効径はカバー分を引く(前回説明しました)
有効径=平均径200-カバー分6=194mmです。
●さらに6%セトリングする(これも前回説明しました)
有効径=194×0.94≒182.4mmになります。
1段当たりの丸太有効径は、約18mmも縮まってしまうわけです。率にすると約9%です。
※簡易的に10%にすると計算も楽です。大差ないでしょう。
実際に計算してみると
●丸太の本数=室内高2400÷182.4mm+上下段の丸太数
2400÷182.4=13.16本
本数にすると14本ですが、このくらいの端数なら13本でもいいでしょうね。
+仮に上下段数2段とする=15段になります。
壁は4面ありますから60本になります。
さらに梁や小屋組みの本数を足します。
たとえば梁5本+棟木1本+母屋2本+束4本とすると計12本必要です。
すべて合計すると72本になります。
さらに失敗や、使えない丸太があったりしたときのために、予備として数本は必要かも?
「わたし失敗しませんから!」という方は必要ないですがね。笑
※建築界では一般にミリ単位を使います。大工さんは尺を使いますがね。
※チンキング工法をとれば、グルーブの必要もなく、丸太間を3cmも空ければ、平均径が23cmになりますから、段数も積み上げる手間も減らすこともできますね。
※半割を積み上げる方法をとれば、丸太を半分にすることもできます。つまり外側は丸ですが、内側は平らになります。
たしか、数年前に「発見セルフビルド」に掲載していたような・・・。全部半割にするのがちょと面倒ですがね。
【まとめると】
ボクがお勧めするセルフビルド用の材料は次のようになります。
●長さは、4~6m。
●太さは呼び径で、16~18cm
●樹種は、国産スギ材、間伐材も可
●本数は、上記の条件なら72本くらい
(ただし、桁と小屋組み用には1~2m長い材が必要です。雨避けのために軒(ケラバ)を張り出すためです。)
※これって、ボクの丸太小屋みたいですね。1本失敗したので14段になってます。笑
丸太だけで25万円くらい、その他床材や2×4材合わせて材料費合計は40万円くらいでした。
【丸太を買う場合の価格は?】
丸太は、木材市場や森林組合などで買うことができます。
ここで売っているのは、規格品として4mくらいまでの長さが主です。それ以上は別途注文になるようです。
木材市場には、一般的に人は入れませんので、業者に頼んだりします。(例外もあり)
価格の計算式です。1本の単価です。
丸太の価格=呼び径×呼び径×長さ×立米単価
<注>これは4mまでの計算式です。それ以上は少し違いますが6mくらいまでなら、目安にはなります。
立米(りゅうべい=立法メートル)単価は、ネットなどで調べることができますが、実際には地方や事業所、品質(節の有り無し、曲がり)などなどで違いがあります。
杉材、呼び径18cm、長さ4mの、立米単価14000円(ネットで調べた平均)として計算してみます。
1本の価格=0.18m×0.18m×4m×14000円 =1814円
※ちなみに、最近ボクが買った値段は、運賃込みで立米単価にすると17000円でした。
直材でなるべく節のないものと注文したんですが、けっこう節がありましたよ。
★自分で伐倒するとき
欲しい太さの部分は20mの木を伐っても1本しか取れません。
業者は元径40cm~の太い木を伐り、下部の無節材は製材用に使い、節の多い細い方を2級品としたりします。
細い間伐材なら節が少ないですが、年輪は少なくなります。製材としては価値が低くなります。
★曲り
ログハウスに使うには、直材(曲りの少ないもの)が必要です。が、真の直材はありません。
多少は曲がっているもんです。曲りが大きかったら短材として開口部などで使いましょう。
★節
あまり影響しません。加工に影響のない壁の内・外(上下は削る)、梁の下側などで、あえてアクセントにしたりして利用します。
これは梁の下側です。オモシロイでしょう!?

以上。ここまでです。
★お願い★
●この記事の内容は、あくまでボク個人の方法や考え方です。
同じ物事でもいろいろな方法や考え方があります。したがって、この記事に関しての議論・反論には応対しませんのでご承知ください。
●ただし、こういう記事を書いて欲しいというような要望やリクエストにはできる限りお応えしますので、コメント欄にお書きください。
●建築基準法の内容については情報が古いかもしれませんので、最新のもので確認してください。
昨日の続きで午前中に波トタンを剥がしに行ってきました。風が出てきて飛ばされたりして難儀しましたよ。
風が強くなってきたので、午後からの伐採も中止しました。
というのもありますが、前回のつづきが気になっていました。間を空けすぎてはマズイな、と。
さてと、次はと、高さの管理方法ですかねぇ・・・。ちと面倒そうだけど。期待せずにお待ちくださいませ。
丸太の中間の太さを測るには丸太用ノギスが便利です。
持ってはいませんが使ったことがあります。便利でしたねえ。
簡易的には差し金2本で測れますよ。これリーズナブルです。
長手がズレないようにしっかり握ること、指金によっては幅15mmを引くことを忘れないように!
※差し金は内外、表裏同じメートル目盛りが使いやすです。ホントにいろいろな目盛りの種類があるので、見て買った方がいいとボクは思います。



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最終更新日 : 2021-04-13