★自然の丸太を積み上げるハンドカット・ログハウスをセルフビルドするためのワンポイント・ノウハウです。
自然の丸太は1本1本違うものです。同じ径の丸太を購入しても、10ミリくらいは違うし、テーパーも、曲りも、形も違います。
こんな丸太を積み上げていくのですから、適当にやっていると各部の高さが大きく違ってきてしまいます。そうならないように1段ごとに管理していくことが必要になります。
結論を言うと、4~6m長くらいの丸太の場合、各ノッチ部の高低差が標準値より30mm以内くらいにしましょう。その後の段で修正できますから。以上!(笑)
※ハンドカットではこの作業が一番難しいかもしれません。でもちょとした理屈を知れば大したことはありませんよ。
プロの場合は親方やチーフが受け持っていますね。大工さんでいうと棟梁が墨付けするようなもんですかね。
【ハーフログ壁とシルログ壁の高さの標準値】
まず標準的というか、理想的というか、高さの変化をしっかり理解してください。これが基本になります。
★ハーフログ壁の高さの変化
丸太積み工法では、最初の段は半割の丸太を置くことになります。
半割ですからテーパーも半分になります。4mで40mmテーパーなら20mmテーパーになります。
次の段からは普通の40mmテーパーの丸太を積んでいきますが、最初のこの20mm差が、各段ごとに現れます。
元口が常に20mm高くなるわけです。
★シルログ壁の高さの変化
最初の段は、底面を平面にしますが、その分太い丸太を使っているので、テーパーは4mで40mmです。
最初の段からテーパーの変わらない丸太を交互に積んでいきます。
奇数段では元口が40mm高くなりますが、偶数段では打ち消されて水平になります。

【最下段の丸太はちょと加工が必要】
上記に書いたように、最初の段は切り取り加工が必要なので、なるべく太い丸太を用意します。
★ハーブログ
木口を半分にカットすると、チエンソーの切幅10mmくらいが切り取られます。
しかし、墨線ピッタリに切ることはできないので、両側に余裕を5mmくらいとると20mmは必要になります。
つまり標準の丸太より20mmくらい太いものを使います。またはそれに近いもの。
仕上げは、平カンナ掛けします。ブラッシングも併用すると効率がいいです。
※ちなみにプロは14~16mmでやります。
実は最初のチェンソー作業が半割ってのはちと荷が重いのですが、1mくらいの短い丸太で一度練習すればほとんどできるもんです。
どうしてもダメなら、次の方法もアリますよ。
※製材所で挽いてもらう。この場合帯鋸幅の損失は1mmくらいです。
小屋組みの丸太など10本くらいまとめて挽いてもらうと運搬の手間が省けますね。
※チェンソー用の簡単な縦挽き治具もありますので、これを使う手もありますよ。
基準台をセッティングするのが、慣れるまでちょと手間がかかるようです。
★シルログ
土台に乗せるために、下面を平面にする必要があります。
この平面幅は土台の幅よりも広くします。4寸角(120mm)を使うならそれ以上広くします。
これは末口で測ります。末口径が180mmなら130mmの平面幅を作るためには30mmくらい切り取る必要があります。元口側も同じ30mmくらい切り取るので、平面幅は少し広くなります。
ですから、標準の丸太より30mmくらい太いものを使います。またはそれに近いもの。
仕上げは、ハーフログと同じで平面カンナで仕上げます。
※最初のころに説明したカバーの図で測れば、平面幅と深さの関係がわかると思います。
※この平面カットは、半割を経験した後なら、すごーく簡単にできるでしょう。
【最上段と小屋組みの丸太もちょと加工が必要】
ついでですが、最上段以降の丸太も平面にしなければなりません。
壁の最上段は、壁を作るために壁厚分以上の平面にします。
その上に小屋組み(屋根)を乗せます。
桁は垂木を乗せるための斜めの平面が必要です。同様に、母屋、棟木も平面にします。束は壁に接する面を平面にします。
ということは、最下段と同じように切り取られるので、それを見越した太い丸太を残しておくことが必要になるわけです。
また棟木と母屋は束で支えるのでスパンが長くなり太い方が安心です。

【では、積み上げる中間の丸太はどうするのか?】
上記の丸太を確保したうえで、残った丸太を使うことになります。
参考書などには、「だんだん細い丸太を積んでいき、その後だんだん太い丸太を積んでいきます。中間が一番細い丸太になります。」などと書かれています。
まあまあ、原則はそれでいいのですが、最初に書いたように、そうは問屋が卸さないのですよ。
そこで、やっと本題に入るのです。が、次回です。スンマセン。
★ちょとコラム
人の住む家の要件って何でしょうかねぇ。
基本性能として、壊れないこと、雨漏りしないこと、風が入ってこないこと、断熱機能があること、床が水平であること、などでしょうか。まだ、あるかな?
この「床が水平であること」を達成するために、まず基礎を水平にし、床を水平にする、そして壁を垂直に立てる。そうすると一般的な四角形の家になるのですね。建具もそのようにできています。屋根はいろいろですが。
でも床だけ水平であれば、何でもアリでしょう。壁が真っすぐじゃいないとか、捻じれているとか、凸凹しているとかは、あまり問題にならないわけですね。ただし、造作にメッチャヤタラ手間がかかりますけどね。
こういう家は個性的というか・・・おもしろいデザインでもありますよね。作ってみたいもんです。
そんなわけで一般的には、2階の床を水平に、小屋組みを楽にするために、最上段を水平にしていく管理が必要になるわけです。
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★お願い★
●この記事の内容は、あくまでボク個人の方法や考え方です。
同じ物事でもいろいろな方法や考え方があります。
したがって、この記事に関しての議論・反論には応対しませんのでご承知ください。
●ただし、こういう記事を書いて欲しいというような要望やリクエストにはできる限りお応えしますので、コメント欄にお書きください。
●建築基準法の内容については情報が古いかもしれませんので、最新のもので確認してください。
今日は雨なので、記事をまとめてました。
記事を書くときはラフな下書きをします。これに図解や写真を付け加えると、やたら時間がかかってしまいます。
推敲や校閲、校正も一人でやらなきゃならないし。そんなわけで分割して時間稼ぎが必要になっちゃうんですよ。
できるだけ1週間に1本くらいは書きたいんですがねぇ。
電動の平面カンナです。切削幅110mmですが、最低このくらいは欲しいです。片手でも持てるので重宝しています。
チェンソーの縦割り用治具です。何人か使っている人がいますが、なんとか使えるようです。


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自然の丸太は1本1本違うものです。同じ径の丸太を購入しても、10ミリくらいは違うし、テーパーも、曲りも、形も違います。
こんな丸太を積み上げていくのですから、適当にやっていると各部の高さが大きく違ってきてしまいます。そうならないように1段ごとに管理していくことが必要になります。
結論を言うと、4~6m長くらいの丸太の場合、各ノッチ部の高低差が標準値より30mm以内くらいにしましょう。その後の段で修正できますから。以上!(笑)
※ハンドカットではこの作業が一番難しいかもしれません。でもちょとした理屈を知れば大したことはありませんよ。
プロの場合は親方やチーフが受け持っていますね。大工さんでいうと棟梁が墨付けするようなもんですかね。
【ハーフログ壁とシルログ壁の高さの標準値】
まず標準的というか、理想的というか、高さの変化をしっかり理解してください。これが基本になります。
★ハーフログ壁の高さの変化
丸太積み工法では、最初の段は半割の丸太を置くことになります。
半割ですからテーパーも半分になります。4mで40mmテーパーなら20mmテーパーになります。
次の段からは普通の40mmテーパーの丸太を積んでいきますが、最初のこの20mm差が、各段ごとに現れます。
元口が常に20mm高くなるわけです。
★シルログ壁の高さの変化
最初の段は、底面を平面にしますが、その分太い丸太を使っているので、テーパーは4mで40mmです。
最初の段からテーパーの変わらない丸太を交互に積んでいきます。
奇数段では元口が40mm高くなりますが、偶数段では打ち消されて水平になります。

【最下段の丸太はちょと加工が必要】
上記に書いたように、最初の段は切り取り加工が必要なので、なるべく太い丸太を用意します。
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木口を半分にカットすると、チエンソーの切幅10mmくらいが切り取られます。
しかし、墨線ピッタリに切ることはできないので、両側に余裕を5mmくらいとると20mmは必要になります。
つまり標準の丸太より20mmくらい太いものを使います。またはそれに近いもの。
仕上げは、平カンナ掛けします。ブラッシングも併用すると効率がいいです。
※ちなみにプロは14~16mmでやります。
実は最初のチェンソー作業が半割ってのはちと荷が重いのですが、1mくらいの短い丸太で一度練習すればほとんどできるもんです。
どうしてもダメなら、次の方法もアリますよ。
※製材所で挽いてもらう。この場合帯鋸幅の損失は1mmくらいです。
小屋組みの丸太など10本くらいまとめて挽いてもらうと運搬の手間が省けますね。
※チェンソー用の簡単な縦挽き治具もありますので、これを使う手もありますよ。
基準台をセッティングするのが、慣れるまでちょと手間がかかるようです。
★シルログ
土台に乗せるために、下面を平面にする必要があります。
この平面幅は土台の幅よりも広くします。4寸角(120mm)を使うならそれ以上広くします。
これは末口で測ります。末口径が180mmなら130mmの平面幅を作るためには30mmくらい切り取る必要があります。元口側も同じ30mmくらい切り取るので、平面幅は少し広くなります。
ですから、標準の丸太より30mmくらい太いものを使います。またはそれに近いもの。
仕上げは、ハーフログと同じで平面カンナで仕上げます。
※最初のころに説明したカバーの図で測れば、平面幅と深さの関係がわかると思います。
※この平面カットは、半割を経験した後なら、すごーく簡単にできるでしょう。
【最上段と小屋組みの丸太もちょと加工が必要】
ついでですが、最上段以降の丸太も平面にしなければなりません。
壁の最上段は、壁を作るために壁厚分以上の平面にします。
その上に小屋組み(屋根)を乗せます。
桁は垂木を乗せるための斜めの平面が必要です。同様に、母屋、棟木も平面にします。束は壁に接する面を平面にします。
ということは、最下段と同じように切り取られるので、それを見越した太い丸太を残しておくことが必要になるわけです。
また棟木と母屋は束で支えるのでスパンが長くなり太い方が安心です。

【では、積み上げる中間の丸太はどうするのか?】
上記の丸太を確保したうえで、残った丸太を使うことになります。
参考書などには、「だんだん細い丸太を積んでいき、その後だんだん太い丸太を積んでいきます。中間が一番細い丸太になります。」などと書かれています。
まあまあ、原則はそれでいいのですが、最初に書いたように、そうは問屋が卸さないのですよ。
そこで、やっと本題に入るのです。が、次回です。スンマセン。
★ちょとコラム
人の住む家の要件って何でしょうかねぇ。
基本性能として、壊れないこと、雨漏りしないこと、風が入ってこないこと、断熱機能があること、床が水平であること、などでしょうか。まだ、あるかな?
この「床が水平であること」を達成するために、まず基礎を水平にし、床を水平にする、そして壁を垂直に立てる。そうすると一般的な四角形の家になるのですね。建具もそのようにできています。屋根はいろいろですが。
でも床だけ水平であれば、何でもアリでしょう。壁が真っすぐじゃいないとか、捻じれているとか、凸凹しているとかは、あまり問題にならないわけですね。ただし、造作にメッチャヤタラ手間がかかりますけどね。
こういう家は個性的というか・・・おもしろいデザインでもありますよね。作ってみたいもんです。
そんなわけで一般的には、2階の床を水平に、小屋組みを楽にするために、最上段を水平にしていく管理が必要になるわけです。
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●この記事の内容は、あくまでボク個人の方法や考え方です。
同じ物事でもいろいろな方法や考え方があります。
したがって、この記事に関しての議論・反論には応対しませんのでご承知ください。
●ただし、こういう記事を書いて欲しいというような要望やリクエストにはできる限りお応えしますので、コメント欄にお書きください。
●建築基準法の内容については情報が古いかもしれませんので、最新のもので確認してください。
今日は雨なので、記事をまとめてました。
記事を書くときはラフな下書きをします。これに図解や写真を付け加えると、やたら時間がかかってしまいます。
推敲や校閲、校正も一人でやらなきゃならないし。そんなわけで分割して時間稼ぎが必要になっちゃうんですよ。
できるだけ1週間に1本くらいは書きたいんですがねぇ。
電動の平面カンナです。切削幅110mmですが、最低このくらいは欲しいです。片手でも持てるので重宝しています。
チェンソーの縦割り用治具です。何人か使っている人がいますが、なんとか使えるようです。


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最終更新日 : 2021-04-13