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    【RED-G】それなりBログ工房

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    Top Page › ぶらぶらボランティア › 行方不明者捜索の現場レポート
    2011-04-02 (Sat) 19:26

    行方不明者捜索の現場レポート

    東日本大震災の発生から3週間後の4月1日、行方不明者の一斉捜索が沿岸部で開始された。
    その数日前、我々は現地に入った。
    場所は、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区。名取川右岸の河口にある漁港の町。住宅地が密集していた。
    この時点で、死亡者数は約600人、行方不明者数は約1000人だ。

    通行許可証。
    IMG_8852.jpg 
    深部に入るには、これが必要。

    沿道には、このような光景が延々と続く。
    IMG_8817.jpg 
    道路は、ほぼ撤去作業が完了しており、車の通行は問題ない。

    河口付近。
    IMG_8814.jpg 
    思いのほか瓦礫は少ない。津波で奥の方に流されたと思われる。

    小山に残った樹木。  (河口付近)
    IMG_8815.jpg 
    水没したはずだが、持ちこたえたようだ。

    河口付近の仮設の瓦礫置き場。
    IMG_8813.jpg 
    山のように積み上げられている。ユンボが2台動いていた。

    残った住宅の庭の漂流物。 (海岸から役2キロ地点)
    IMG_8868.jpg 
    漁船や車が民家に衝突しているところも多々あった。
    瓦礫が比較的少ない民家では、家族総出で泥などを片付けているところも散見された。

    流された民家。 (海岸から約1キロ地点)
    IMG_8823.jpg 
    田んぼの真ん中にあった。

    上記家の壁に貼ってあった確認済みのテープ。
    IMG_8826.jpg 
    この地も地盤沈下している。
    確認されたのは2週間後だ。最近になってようやく水が引いたのだろう。

    原型を留めていない車。 (海岸から約1キロ地点)
     IMG_8819.jpg
    上部の緑のテープは、内部確認済みの印だ。
    後方の車は、ほとんど無傷のようにも見える。

    捜索済みのラベル。
    IMG_8842.jpg

    撤去要請の張り紙。
    IMG_8854.jpg
    道路沿いの車に貼ってあった。交通の支障になるからだろう。

    津波の末端付近。 (河口から約3キロ地点)
    IMG_8840.jpg 
    左の高架は仙台東部高速道路。正面は名取川の堤防。このあたり一面は田んぼ。

    津波は高架の下を通りさらに1~2キロほど登っていたが、それほどの瓦礫はなかった。
    末端付近なので、柵や盛り土が堤防代わりになってせき止められたのだろう。

    大破した車も少ない。緩やかに押し流されてきたようだ。
    左奥のこんもりした立ち木の下には、人が乗ったまま2時間ほど流された車がある。無事だったと聞いた。

    このあたりのでは瓦礫が積み重なっていないため、数日間で比較的容易に被災者が発見された。
    現在の不明者は目視では発見できない。瓦礫に埋もれているか、海に流されたかのどちらかだろう。

    田園地帯では、唯一の高台だったこの高架を避難地にして欲しいという要望があったらしいが、これが実現される前に津波はきてしまった。
    とろこによっては、よじ登って難を逃れたという人たちもいたと聞いた。

    高速道路下の瓦礫撤去作業。  (海岸から約3キロ地点)
    IMG_8849.jpg 
    1~2メートルの瓦礫が積み上がっている。

    撤去現場の自衛隊員。
    IMG_8836.jpg 
    無線機を背負った隊員と車が待機している。被災者が発見されたときの対応のためのようだ。

    道路と用水掘りの瓦礫撤去作業。 (海岸から約2キロ地点)
    IMG_8856.jpg  

    上記現場の反対側から。
    IMG_8866.jpg 
    水路の幅は3~4メートル。正面は未撤去状態。右側に道路がある。
    水路にはかなりの瓦礫が溜まっている。 これが200メートルくらい続いている。
    このあたりは火災になっていた。焼け焦げた臭いが鼻をつく。

    花をたむける消防隊員。
    IMG_8880.jpg
     

    ローラー作戦中の消防隊。
    IMG_8877.jpg 
    広島の消防隊員が約50名。一列に並んで、手作業で瓦礫を除けながら確認している。
    水が引いた比較的足場のよい場所を選んで実施しているようだ。

    被災者が発見された模様。
    IMG_8873.jpg 
    担架が運び込まれる。

    消防署に集められた灯油など。
    IMG_8855.jpg 
    軽トラが走り回り、足場の良いところから回収していた。
    基本的には所有者がいるのだろうが、名前など書いてない。危険物処理だろう。

    市役所の玄関。
    IMG_8889.jpg 
    駐車場は一杯だったが、内部もごった返していた。
    右の柱は、遺体安置所へのバス乗り場になっている。

    張り出されている案内類。
    IMG_8887.jpg 
    死亡者名簿は内部に貼られていた。身元不明者は服装や特徴が記載されている。

    ボランティア事務所も開設されていた。
    IMG_8885.jpg

    その案内チラシ。
    IMG_8883.jpg
    おもに地元民だけに制限している。土地勘のない人の面倒は面倒だ。
    宿泊場所やテント場などの紹介も難しい状態だ。

    我々の隣の空家には、栃木県の医大生十数名がボランティアに来ていた。
    おもにお年寄りのケアや片付けなどを手伝っていると言っていた。

    遺体安置所になっているボーリング場。
    IMG_8892.jpg 
    内部は撮影禁止だが、どこかのニュースサイトには写真が掲載されていた。
    レーンに直角に棺が並べられている。100体以上。身元不明者は顔が見られるように開けてある。

    入り口には、遺体が運び込まれた日付ごとに、色分けされたラベルで分類されていた。
    それぞれ10人くらいだ。ということは、2週間前の遺体も引取られていないことになる。
    最近でも10人くらい運び込まれている。

    ニュースでも流していたが、2週間くらい身元が確認されない方は、東京で火葬することになった。
    地元の火葬場も被害を受けており、2週間先まで処理ができない状態になっている。
    ちなみに、この場所には警視庁が立ち会っていた。


    被災地で活動していた人々。
    ・広島の消防隊50人くらい。手作業で捜索。1日に100メートル四方くらいだろうか。
    ・自衛隊は20人くらい。立会いと一部手作業捜索。
    ・地元消防は数人。連絡係など。
    ・警察は被災地の立ち入り禁止境界に2~3人。監視と交通整理。
    ・瓦礫撤去用のユンボが7~8台。民間。
    ・ダンプが十数台。自衛隊と民間。
    ・マスコミはゼロ。
    ・ボランティアはこの地区ではゼロ。

    以前の状態は知らないが、2週間以上経過しているため、体制を縮小したのだろうか。
    数キロ四方の不明者を捜索するには余りにも貧弱すぎる。
    被災者が埋もれているかもしれないと思われる場所で作業していた重機は数台だった。あの瓦礫量からみると何十分の一も終わっていない。
    少なくとも数百台体制でなければ、早急な捜索はできそうもない。
    あまりにも被害地が広すぎて、対応できないのかもしれないが、だんだん遺体の痛みも激しくなる。
    何とかならないものだろうか。むなし過ぎる。

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    <補足>
    我々は自主的な捜索隊だった。
    かなり混雑していると思っていたが、まったく閑散としていた。
    胡散臭い邪魔者扱いされるかと思っていたのだが、誰にも、何にも、言われなかった。
    ヘルメットと風貌が効いたのかもしれないが・・・。
    この時点では、人力では何もできなかい。圧倒的な瓦礫の前では無力感に打ちのめされた。
    鉄腕アトムになりたかった。鉄人28号になりたかった。
    しかしながら、神の思し召しか、思いが通じたのか、運よく目的は達することができた。
    これで一区切りがつきました。お世話になった方々に感謝します。

    知られざる特異な現場の状況を伝えたいとおもい、あえて掲載しました。


    なぜか、こんな人が・・・。 (息抜きに)
    IMG_8891.jpg 
    被災地で2日間ほど見かけた。何か思うところがあるのだろうか。
    ○○○カゲキという人に似ているような・・・。
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    最終更新日 : -0001-11-30

    Comments







    非公開コメント

    池田さん

    先に言われちゃ何も言えないですう。(笑)

    まあ、ゆっくり直して、免疫つけて、ボランティアに出てくださいな。
    2011-04-05-21:16 あかじい
    [ 返信 ]

    おふくろに風邪を移されました。

    なんとか・・・ではなかったみたいです。
    2011-04-05-20:12 池田
    [ 返信 * 編集 ]

    スバナさん

    人生には、いろいろありますねええ。

    ボクは直接の被災者でもありませんが、今回はなぜか空しいのですよ。
    応援ありがとさん。
    2011-04-03-21:57 あかじい
    [ 返信 ]

    家も台風、洪水に17年間で3度やられましたよ、震災の被害ほどでは有りませんが、気持ちは少し判ります。
    元気だそう、応援しますとしか言いようが有りません!
    2011-04-03-21:33 スバナ
    [ 返信 * 編集 ]

    たくきさん

    そうですねええ。今回は2つの震災世界がありますね。
    どちらも、指導者には、ちゃんと見えていないような感じがします。

    裏日記も読ませてもらっていますよ。原発について、いろいろ勉強になります。
    早く戻れるといいですね。

    さて気分を入れ替えて、って思っていた矢先、仕事のドタキャンがあって、またちょっと予定が狂いました。
    ま、ボチボチやっていきますよ。
    2011-04-03-20:54 あかじい
    [ 返信 ]

    すさまじい

    福島の原発新サイトは異質な、違う次元の被災状況ですよね。というか、福島のほうが特殊なのかな。天災と人災の違いというか。
    これはもう、ただただ天の力の前には無力です、という図。死体も、あまりにも見続けてくると神経が麻痺してしまいそう。
    あかじいさんは精神的にはタフだとは思いますが、どこかで疲れは一気に出たりします。ご自愛ください。
    2011-04-03-20:19 たくき
    [ 返信 * 編集 ]

    池田さん

    いまのところ効果がないみたいね。
    今度はミルクセメントですか。提案してみてくださいな。もしかしたらヤルかも?
    海の汚染も止めないと、魚が食べられなくなるう。

    全国の重機を集めたら、足りるんでしょうかねえ?
    ボクが行ったところでも100台は欲しいよね。ということは、全部で1~10万台以上かな。
    ボクのガタピンはかえって手間がかかるでしょう。
    2011-04-03-19:32 あかじい
    [ 返信 ]

    ・・・そーゆー細かい突っ込み、やめましょうよ(笑)
    でもねー、なんとかとハサミは使いよう・・・といいまして。
    使う側もそれなりにアタマがよくないとダメですよ。
    この手の技術的な知識がある政府関係者って、枝野官房長官か、石破議員くらいしかいないんじゃないか?と。

    提案したのが29日の昼ですが、翌日、その汚染水の量が数千トン・・・とかいう数字を聞いて、こりゃダメかな。と思ってたんですけどね。

    高分子ポリマー80袋ほど投入したけど、今の所、効果が確認できないらしいですね。
    あとは、青函トンネルを掘る際に使ってたミルクセメント・・・くらいしか思い付かないですね。
    これは提案してないけど。

    場当たり的かもしれないけど、他に止めようがないのなら、試してみない事には・・・。



    フォークリフトの件、自衛隊で廻送できないか?という提案もしておきました。
    一台でも遊んでるのがあれば、かき集めてでもやったほうがいいと思うんですが。

    あかじいさんの所にも、キャタピラのはずれかかったユンボありますよね?
    2011-04-03-19:16 池田
    [ 返信 * 編集 ]

    kimamaさん

    一斉捜索も3日間ですからね。パフォーマンスに近いですね。
    全国の重機を集めても、全被災地に十分に行き渡るのかどうか。これが限界なのかもしれません。

    それより心配は原発ですね。こっちのほうにも飛んできてますよ。気にするほどではありませんがね。
    2011-04-03-18:54 あかじい
    [ 返信 ]

    どうもお疲れ様でした。そして御苦労さまでした。
    お陰さまで、ニュースからは伝わらない状況の一部が・・・

    海上を中心にした米軍と自衛隊の合同捜索も当然必要でしょうが
    もっと、もっと人手と重機を組織的に入れないとどうにもならない地域でしたね。
    何も出来ない無力感でいっぱいです。息抜きの写真は特にインパクトがありました。
    2011-04-03-15:51 kimama
    [ 返信 * 編集 ]

    池田さん

    なるほどねええ。あんがい採用されたかも。
    気がつくようで、気がつかないってことはよくありますよ。アタマのいい人はね。ってことは・・・?

    きょうはお客様をお待ちしていたのですが、突然キャンセルされちゃいました。
    予定が狂ったーーー! さて、どうしようかなあ。
    2011-04-03-14:22 あかじい
    [ 返信 ]

    かといって、マスターベーションになっても仕方ないんですよね。
    どこのボランティア団体も、それはしきりに言ってます。


    原発の汚染水対策に、紙おむつで使う高分子ポリマーを使ってゲル化させたら?っていう提案を、自民・石破議員へmailで提案してたんですけど
    採用されたのかどうか知らないけど、今日から?海に流れ出してる汚染水対策に使うっていうニュースが流れてました。

    他にアタマのいい人、いくらでもいるだろうから、ただの偶然でしょうけれど、採用されたとしたら、少しは役に立ったかなぁ?と。

    別件で提案もしてますが・・・。どうなる事やら。

    2011-04-03-13:22 池田
    [ 返信 * 編集 ]

    池田さん

    戦後も同じような状態だったんでしょうね。いい経験しました。

    ボランティアは地元主体ですが、外からの団体も来ていましたよ。栃木の医大生でした。お年寄りのケアと片付けとかで十数名いました。

    なまじ、まとめようとすると、時間がかかる。
    個人で乗り込めば、なんとかなりそうですが、それが大量になると、また問題になる。
    痛し痒しってところですか。

    でも、やったもん勝ちってのはアリですね。
    今回も許可をもらおうとしたら、行けませんでしたからね。
    2011-04-03-09:21 あかじい
    [ 返信 ]

    Kenちゃん

    今後の状態を考えると、まったく憂鬱になります。

    ボクはダイジョブですよ。
    影から応援していてくださいな。ミヤウーも祈っていてくれてますし。
    2011-04-03-09:12 あかじい
    [ 返信 ]

    亀さん

    今回、マスコミは見かけませんでしたね。
    このネタでドキュメント作れるネエって冗談言ってましたよ。ボクは主役になれないってね。

    まあ、関西の震災のときも、関東では同じ状況でしたね。自分もですが。

    人生観はずいぶん前から変わっていると思いますよ。変人ですから。
    2011-04-03-09:07 あかじい
    [ 返信 ]

    お疲れ様

    あかじいさんも、うちのオヤジも戦後生まれですよね。
    こんな光景を見るのは、先の大戦を経験した人でないと、たぶん・・・ないでしょうね。


    日赤のボランティアがあまりに遅すぎますので、別の団体に登録しました。
    焦った所で仕方ないんですけどね・・・。

    おまけに、トラックを車検に出したのはいいんですが、この震災の影響で、部品の流通が止まっているとかで返ってこないんですよ。
    ダルマですね・・・。

    2011-04-02-22:35 池田
    [ 返信 * 編集 ]

    お疲れさまでした

    渾身のレポート拝見しました。
    テレビや新聞だけ見ていたのでは、現地の今の現状はほとんど知ることが出来ません。
    3週間経った今でもこのような状態なのですね…。想像を絶する光景でした。
    差し入れを持参しできれば良いのですが、現燃料事情を考えるとためらってしまいます…。
    今は待つしかないのでしょうか。
    2011-04-02-21:22 ken@chigasaki
    [ 返信 * 編集 ]

    ボランティアお疲れ様です。
    このような惨状というか、人で不足はあまりニュースで取り上げませんね。
    視聴者受けしないからでしょうかねぇ。
    最近のマスコミは原発の話題と、ワイドショー好みのお涙頂戴ものが多いように見受けます。
    もう少し現状と必要な支援を伝え続けるのがマスコミだと思うんですがねぇ。
    あかじいさん、悲惨な現場を目の当たりにすると人生観変わりませんか?
    2011-04-02-21:18 亀仙人
    [ 返信 ]